────ガラガラッ
「……果織ちゃーん……」
「……」
また今日も目を合わせてくれない。
「…帰らしてくれないなら来なくていい」
「……果織ちゃん。この間も言ったでしょ?薬飲まないで帰れるわけないって」
机の上には果織ちゃんが飲まない、と拒否した薬が置かれていて。
「看護士さんの言うこと聞かなかったって聞いたよ?」
「………薬なんて飲みたくない。治らないもん、帰れないもん」
「果織ちゃん。」
「……やだ、薬飲んだって無駄だもん、どうせ治らないし帰らしてくれないし、もう嫌…」
「…そんなこと言ったって帰れないよ。薬飲まなかったら今よりも酷くなるだけ。」
「…………」
「だからほら。………先生帰っちゃうからさ。最後に薬だけ飲んで?」
さっきから見ている季蛍も、不安そうな顔をしている。
「……お願い。飲んで?飲んでくれないと治るものも治らないでしょ?」


