結婚式が、ケーキ入刀にさしかかった頃。








「………ン」








隣にいた陽さんが、私の服の袖を握るのが分かった。










「……陽…さん?」










小声で呼んでみると、










「………いっ…」









さすがに港くんも気づいたみたいで、私と目をあ合わせていた。









「……港くん」









「陽、……場所変えよ」










「ん、やっ…」











港くんに怒られるから………。










「陽、………ダメだって」








「いだいッ……」










ため息をふっとついた港くんは、陽さんを立たせて席を外した。










唯一、高島先生とその彼女さんに目が釘付けな蒼は…そのことに気づいてなかったけど。