結婚式が、ケーキ入刀にさしかかった頃。
「………ン」
隣にいた陽さんが、私の服の袖を握るのが分かった。
「……陽…さん?」
小声で呼んでみると、
「………いっ…」
さすがに港くんも気づいたみたいで、私と目をあ合わせていた。
「……港くん」
「陽、……場所変えよ」
「ん、やっ…」
港くんに怒られるから………。
「陽、………ダメだって」
「いだいッ……」
ため息をふっとついた港くんは、陽さんを立たせて席を外した。
唯一、高島先生とその彼女さんに目が釘付けな蒼は…そのことに気づいてなかったけど。
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…