お昼の時間。
愛花と私は屋上でご飯を食べていた。
屋上で食べるのは愛花のリクエストで、私はいつも付いて行った。
ちなみに先ほどの授業で遅れた私達は先生に怒られて3分ほど立たされてしまった。
私はもう二度と遅れないと誓った。

そんな事もあったが、今日の天気は晴れていたためとても日は暖かく屋上で食べるのにはベストだった。
しかし、基本私達二人以外屋上には誰も来ない。

「桜!うちトイレ行ってくる!」
屋上の、いつものベンチに座ろうとすると愛花は走って行ってしまった。
愛花はいつも元気だ。
そこが私は好きだから別に構わないのだが。

しばらく一人だった私は空を眺めて、ぼーっとしていた。
「ねえ、君さっきの授業で立たされてたでしょ?」
ふと後ろから男子の声が聞こえた。
びっくりした私は勢いよく振り返り、はっとした。
その声の主は、さっき歩いていた生徒会長だったからだ。

「えっ?!あの…見てたんですか?」
驚いた私はいまどんな顔をしているだろうか。
きっと変な顔だろう。
会長はフッと笑いながら、
「見てたよー、俺たちの横を走っていったときからね。」
あ、やっぱりそこから見てたんだ。
まあ…あんなに勢いよく走ったら誰でも見るよね…。

「すいません…」
思わず謝罪の言葉が口から出る。
会長は不思議そうな顔をしながら、その顔を近づけてきた。
「なんで謝るのさ。」
私は、思わず身を引きながら会長から視線を逸らした。
この人は苦手だ。やっぱりなんだか怖い。

「あーぁ、黙っちゃった。怖がらせちゃったかな?」
あはは、と苦笑いをする会長。
すると、その後ろから愛花が帰ってきた。