「あ!髪の毛、切って金髪にしたんだね。そっちが絶対イイよ」


「うれしいな。みんな“変だ”って笑うんだよ」


シオリからの急接近もあり、彼女と別れ、シオリに対して本気に向き合おうとするジョージ。


これまでの親密に歩み寄った関係を考えても、恋愛対象としてお互いを見ている様子が、第三者にもすぐに分かった。


千夏に限らず、シオリの姉や、最近の二人の動向をよく知る人間には、その変化は明白である。


従って、シオリに告白するタイミングだけを、今のジョージは自分のなかで推し量っていた。


しかし、そうやって気持ちを高めているジョージとは裏腹に、シオリのほうは、千夏からの“あの忠告”が効いている。


ジョージに対する態度が、ここに来て、よそよそしく逆行しているシオリ。


だから、二人で会話をしても、最近までの熱気が、シオリのほうからは、感じられない。


「俺が車の運転しようか?」


「いいよ。私の車だしさ」


シオリは、これ以上の関係にならないよう、ジョージを警戒した。