2008年3月[前半]

二人は、その後、より加速度を増して、話す回数、会う回数を重ねていった。


どちらから誘うというわけではなく、それは自然なカタチで引き寄せられるもの。


ジョージとシオリは、今のお互いにとって一番必要な存在に思える。


シオリと居ることで、ジョージは気持ちが高揚する。


ジョージと居ることで、シオリは気持ちが安らいだ。


二人は特に何をするわけでもなく、膝と膝を寄せて合って、お互いの今やこれからを語り、励ましあった。


「実は、ちょっと悩みがあるの。自分でよくわからなくて。。」


「何かあった?」


楽しい会話の最中に、シオリは、まだジョージの知らない悩みを打ち明ける。


「あのね、変な話なんだけどさ。。」


「うん?」


「あのさ。ある人と一緒に寝ると、朝までずっと眠れないの。。どうしてなんだろ」


「それ、最近の話?」


「うん。ちょっと前からなんだ」


ジョージは、それが友彦であることにすぐ気付いた。


また、シオリがこの発言によって“自分を試している”ということにも、ジョージは感付いた。


シオリが、まだ友彦に会っているという事実と、それを打ち明けることで、何かを知ろうとする様子。


ジョージは一瞬戸惑ったが、冷静にその悩みに対して自分なりの解答をする。