それから、また、ジョージはすんなりと普段の生活へと戻る。


朝は遅めに起きて調子の上がらない仕事を普段通りこなし、他人からの相談事を自分の癒しのためによく聞いた。


仕事のあとに彼女に誘われるままデートをし、彼女の家に泊まるときは自分が腕をふるって料理を作った。


今のジョージは、諦めと妥協こそが自分のテーマであると考えている。


そして、その様子は今後ひたすらに続くものだということを。


そうやって平穏で普遍的な毎日を送るなか、久しぶりにシオリからメールが届く。


それは、ジョージがシオリとの食事後に送った、かなり遅い返事であった。


『バタバタしてました〜!返事おそくなってごめんね』


気まぐれなシオリに対して、ジョージは『別にいいよ。笑』とだけ書いて返信した。


シオリのことを心密かに想っているジョージは、それ以上の言葉が書くことができかった。