「悔しい、、」


友人の千夏も友彦のことを「あの人は苦手」と言っていたし、久しぶりに電話で話した男友だちにも「まだ付き合ってんだ?」と鼻で笑われるように言われた。


シオリの姉にも「あんたが好きならしょうがない」と言われたし、最近になって母親からも「楽しそうじゃないわね」と危惧される。


自分が抱く友彦を求める強い想いと、周囲から見られている自分と友彦の関係と、その2つの思考のうちどちらが“リアル”なのか。


ただ、現時点で言えることは、友彦に対する、不安、苛立ち、怒りの感情がやはり大きくなっている。


しかし、それしか自分では分からない。


そして、二者択一の解決を出来ない自分自身にさらなる苛立つ感情が湧き起こる。


シオリは藁をも掴む気持ちで、「誰かいないか?」とケータイのアドレスを見回す。


遠く、東京に住んでいる彼女の唯一の親友と呼べる“加奈子”の名前。


シオリは加奈子に電話をし、今までの友彦との関係を洗いざらい正直に話して、返ってくる言葉を待った。