ジョージとの食事があったその後、シオリのケータイには、ジョージから数回のメールが届いた。


しかし、シオリは気分が優れないので、その返事を社交辞令的にこなす。


そして、その間、シオリは彼氏である友彦に対し、メールで連絡を取るが、なかなかその返事は帰ってこなかった。


こちらから電話をしてもすぐに留守電になり、忘れた頃に向こうから「何かあった?」と軽い言葉だけが返ってくる。


シオリは友彦のそういう変わらない態度に対し、腹が立つときは「電話に出てよ!」と切実に訴えるのだが、友彦はいつも「俺はそんなにヒマじゃない」「仕事が忙しい」と言い放つ。


そう言われたら我慢するしかない。


けれど、シオリは今までのように、ただ、しおらしく我慢する気持ちが薄れてきた。


ジョージからの発言も含め、今まで聞き流してきた周囲の人間から聞く“友彦の評判”を考えると、友彦に対する怒りの感情のほうがじわじわと勝ってくる。