そのしゃべり方や態度を見て、ジョージは逆に、彼女が切羽詰まっているように感じる。


「好きなら好きでいいと思うけど、別れたほうがいいんじゃない?」


ジョージは続けてこういった。


「言おうと思っていたけどさ。彼氏の浮気癖知ってるんだよ俺。ていうより有名な話だよ。いくらシオリちゃんが彼のコトを好きであっても、苦しいなら一度離れてみるべきじゃないかな」


シオリは、ジョージのその言葉に対し、聞きたくないような素振りをした。


「私も倦怠期なのかなぁ」


「いいや、寂しさから逃げてる甘えでしょ」


「そっか」


シオリは、気持ちの乏しい短い返事をした。


「人っていうのは、自分の孤独を受け入れないと、自分にふさわしい良い相手とも巡り会わない。だから、独りの時間は大切なんだ。自分から苦しい穴に足を突っ込んで耐えるのは、酒が好きで止めれずにもがいているアル中と同じだよ」


シオリは「まぁ〜ね」とだけ返事する。


ジョージは自分の吐いたシオリへの言葉に自問自答している気分にもなった。