2007年の春


ジョージのパソコンにメールが届いた。シオリからだ。


そういえば、何週間前にこちらからメールをして、それを忘れていた頃の返事だった。とても前向きなシオリからのメール内容。


『私、派遣の工場勤務やめたよ! よく行く雑貨屋さんで働くことになりました。シオリはやれば出来る子です。すごいでしょ!(σ・∀・)σ また連絡するね!』


以前、ジョージはシオリの仕事や将来についての相談に、アドバイスをしたことがある。


「お金が無いからとか、遊ぶ時間が欲しいからとか、そういうコトだけで仕事を決めても良いことないよ。自分が将来どんな人になっていたいのか、自分の周囲をどうしたいのか。それを考えて“夢”や“目標”を作るべきなんだ」


このアドバイスを聞いたとき、シオリは「う〜ん、、」と、うつむいて悩んでいた。


「何かやりたいコトないの?」とジョージが尋ねると、「だったら雑貨屋さんとかで働きたい」と、シオリは小さく答えた。


「すごくイイじゃん!」とジョージはシオリの大きな夢を褒めた。


あと、彼女の恋愛についても、“ちょうど良い機会”と考え、ジョージはシオリに指南した。


なぜかといえば、シオリとその彼氏との関係をジョージは懸念していたからに他ならない。