「シオリ、愛してるよ」


「、、もういいよ」




眼を合わすことなく、シオリは友彦に別れを告げ、彼の部屋をあとにした。


シオリと友彦が出会ったのは4年前の冬。


当時の彼氏との恋愛に苦悩し、憔悴しきっているシオリの前に、友彦は輝くように立っていた。


友彦はシオリよりも10も年上で、厳しい言葉と甘い言葉を器用に使いわける“大人”である。


いつも前向きであることと、その太いニノウデとがシオリには眩しいくらい男らしく見えたのだ。


シオリはそんな友彦にときめきを感じ「この人だ」と“決め込んで”彼氏から逃げるように「付き合ってほしい」と生まれて初めての告白をした。


シオリは魅惑的な美人でスタイルも良く、目鼻立ちはハッキリとしながら唇はゆるくて厚い。


友彦はそんな美しいシオリからの告白に、わざと焦らすように数日経ってからOKの返事を出した。


そういう経緯で二人の交際はスタートした。