――学校


「なぁ、テレビ見たか?」

 柾が、茂に尋ねる。

「うん。
 やっと戦いが終わったと思っていたのに」

 茂がそう言うと達雄が答える。

「まぁ、轟たちを指揮しているヤツラはいるとは思っていたが……
 あの西野タネ……
 相当な能力者だな」

「わかるの?」

 静香が、そう尋ねた。

「自問自答したからな……
 タネの能力は、細胞を自在に操ることが出来る。
 よってヤツは、100年以上生きているが永遠の24歳」

 達雄の言葉にみゆきが、答える。

「傷とかも癒やしちゃえるの?」

「ああ……
 まぁ、不死身ってことだ」

「でも、どうして要求が轟の解放なんだ?」

 柾の言葉に達雄が答える。

「ヤツは、轟を殺すつもりだ」

「え?」

 茂が思わず声を出す。

「余計なことを話される前にな……」

「こんなところにいましたか……」

 南が、そう言って現れる。

「南さん?どうしたんですか?」

 そう言った茂に南は、真面目な顔で答える。

「茂くん、貴方には警察に来てもらいたいのです」

「え?」

 茂は戸惑う。

「轟の引き渡しに貴方が連れてくるようにと要求が来ました。」

「そんな!
 お姉ちゃん!そんな危険な場所、茂くんひとりでだなんて……」

 自由が、そう言うと南が首を横に振る。

「茂くんひとりでじゃないわ……
 自由ちゃん。貴方も一緒よ」

「どうして自由も一緒なんだよ?」

 柾が、尋ねる。

「言えません。
 いえ、わかりません」

「なんだよそれ……」

 柾が口を尖らせる。

「強制はしません。
 でも、断ればあの人たちはテロを起こすでしょう」

「テロ?」

「新種の細菌を作り出し人々を全滅させる……ですよね?
 南さん」

 達雄が、そう言うと南が答える。

「はい。
 そうです……」

「……行っても行かなくても僕は死ぬんですね」

 茂が、そう言うと南がうなずく。

「恐らくはそうでしょうね……
 向こうにレテがいます。
 殺した相手の能力を奪う能力と殺した人の存在を消す能力を持っています」

「そんなのって……!」

 自由が、目に涙を浮かべる。

「わかっています。
 私は、強制できません。
 ですが、他の部署の人達は……」

「……わかりました。
 行きます」

 茂が、そう言ってうなずいた。