――――――― (( 記憶 )) ―――――――




幸那はある日記憶を失った。

それは親に殴られて怪我をしたからだ。


俺のことを忘れてるくせに

葉月や優大、琉太、翔のこは覚えてる。



悔しくてたまらなかった。

幸那の頭の中に俺の存在価値はそんなに低かったのか?

そう毎日考えていた。





だから、俺は逃げ出した。




薫さんに引き取られることになったのを

いいことにこの町を離れることにした。



優大や琉太、翔、葉月も同じ日に。