「久しぶりだな〜!」
「本当に久々っすね!」
憐さんは俺の姉である葉月の彼氏だ。
俺たちの地元に一人暮らししている。
「今日はみんなで焼肉するか!」
「やった!」
憐さんの家で焼肉をごちそうしてもらった。
そして今は、憐さんが用意してくれたお酒を
みんなで飲んでいたところ。
「なあ、凌也」
「ん?」
「幸那、ほんとに彼氏いんの?」
優大は酒がはいっているからか
切なそうに俯く。
こいつらは俺がどれだけ幸那を愛してたか
どれだけ思っていたか…
そして思い合っていたか…わかるんだ。
「幸那には彼氏ができ「なわけねえだろ!!」
優大は勢い良く机を叩く。
「幸那が凌也以外に彼氏?ありえねぇだろ!」
俺はただ無言でビールを飲む。
「おい!お前なんでずっと黙ってんだよ!!」
「俺だってな、信じきれねぇんだよ…!」
それだけ言って、俺は外に出た。
行く宛もないが
ただただ幸那とよくいた公園や思い出の場所を
涙を堪えながら歩いた。
「なに女々しいことしてんだか…」
俺は幸那とよく来た公園のベンチに座った。
彼氏ができた?は?
「…っ」
好きだとか、会いたかったとか、
あいしてるだとか
伝えたくて仕方のなかった
幸那への言葉をビールで流し込んだ。
