学生の頃に比べると、住み慣れた街も幾分か景色が変わって、栄え初めていた。
駅には高いビルが建ったし、街を歩くたびに新しいものがどんどん出来ていった。
そんな景色に違和感を感じながら週に一度の散歩に出る。

中学の時から心の病になり、なんとか働いてはいたが気付けば社会に適合出来ない人間になっていた。
家に引きこもるようになり、さらに気付けば19歳に。

電車にも乗れず、地元から出ることも出来ない、絵に描いたようなダメ人間になっていると自分のない頭でもわかった。
こんなはずじゃなかった、アイツが悪い、私は悪くない、が口癖。

周りがどんどん自立し、置いていかれる焦燥感と、情けない自分に対するイライラでどうにかなりそうたった。