「最初、どこ行く?」

【やっぱりプリクラじゃない?】

ちょっと大人ぶって書いてみた。
私自身、写真とかプリクラとか大の苦手だし、自分に自信が全く無いから、嫌だったんだけどね。
少しぐらいは形ある物にして残しておきたいな、って思ったりするんだ。

「…映るの嫌い……」

あれ、私と同じ。
写真とか嫌いなんだね。
また1つ、康介について知れた。
私たち似た者同士なのかもね。意外と。

【そっかー。
じゃあ、雑貨屋さんとか?】

「そんな所行ったことない」

【だから行くのっ!】

グイッと手を引っ張って雑貨屋さんに向かう。

「は、早いって…!」

慌てている顔を見て思わず、あざとい顔になってしまう。

「愛ってば…!聞けよ……」

無視して引っ張り続ける。
高めのヒールを履いてきたので、コツコツなる地面の音が心地良い。

「……ったく…ブレーキ効かない奴」

それは褒め言葉よね?康介?
ありがたく受け取るわ。

それから、雑貨屋さんに入って2人でお揃いのネックレスを買った。
デザインは、ブルーとピンクのジュエリーが付いた星型のネックレスだった。
決して高い物ではなかったけど、私たちにとっては価値のある物になった。

お昼は、康介の希望でお好み焼きを食べた。
確か、広島風お好み焼き。
とっても美味しかった。
2人とも歯に青のりがくっついてて互いに笑いあった。

その後はゲームセンターに行ってクレーンゲームをしたんだよね。
康介ってば全然下手でさ、いつも3Pシュートする人には見えないぐらいダメダメだった。
空間が全然イメージ出来てなかったみたい。
1200円かけて1つリボン付きのテディベアを落としたんだよね。
何回も店員さんに所定の位置に直してもらって……。
買った方が安かっただろうな。
それでも意地を張って取ってくれた。
しまいには格好つけて「…これ、あげる…」とか言っちゃってさ。
見え見えなんだけどね。
それでも格好良いなって思ってしまう自分もいて…。
わけがわからないよ。
ありがとう。大切にするね。

ゲームセンターで時間を潰したあとはカフェで少しくつろいだ。
うるさい所から一気に静かなムードに包まれて、聴こえてくるジャズも少しばかり1日の終わりを告げるみたいで胸がじんとした。
康介はブラックコーヒーとクロワッサンを、私はカフェモカとパンケーキを食べた。
途中で食べてるものを交換して食べ差しのクロワッサンを食べた。
サクサクでちょっとコーヒーの風味がしたんだっけ?
間接キスという概念しかなくって味とかはあんまり覚えてないや。

帰り際にアウトレットとは別の場所にあるスポーツ用品店に行った。
2人で行くのは勿論初めてだったから、馴染みのある店員さんが衝撃を受けてたのには2人して笑った。
特に買うものは無かったけど、何も買わずに帰るのはアレだから消耗品のテーピングを買った。
未だに巻き方知らないんだけどね。
いつかは巻いてあげられるようになりたいな。