俺が考え事をしている間に愛は何かをメモ帳に書き付けていた。
書いた内容は

【笑って!】

へ?笑う?何故に今?

と思うのもつかの間。
更に顔面の方へ押し付けてきた。


「……な、なんで……」

急にどうしたんだ。

【昨日みたいに笑ってみて!】

それは昨日の笑顔が面白かったって事か?
そんなに変だったのか。俺の顔。
まあ、元々能面らしいからな。
笑った方が気持ち悪いよな。
って事で返答は

「え、やだ」

いつもの能面がノリノリで笑うのも可笑しいと思い断った。
今後はもっと笑わないように気をつけなければ…。
愛に嫌われかねん。
今のところ笑いどころにされてるけど。
そんなのはさておきだ!

【わーらーえー】

そんなに笑って欲しいか。
なら……

「えー。じゃあ、笑わせてみなよ」

笑わないけどな。

実際、こんな下校を夢見てた自分もいたんだよな。
幸せって遠いようで本当は凄く近くにあるものなんだな。

愛、本当にありがとう。
愛のおかげで俺は幸せ者になれてるよ。