無声な私。無表情の君。

愛は真っ赤な顔をして

【そだね】

ってメモ帳を見せてくれた。
そのメモ帳で可愛い顔を隠しながら。
これがたまらなく可愛い。

「じゃ、また放課後」

幸せ過ぎる。ヤバイ。
頭がガンガンギンギンする。
血が流れてるのか良くわかるほどに。
しばらくは離れた所の本棚にもたれてまいっていた。

それからの午後の授業はやっぱり集中出来るはずもなく。
ずーと、ずーと。
今までの事を思い出したり、
これからの事を考えたり、
わかるはずもない未来の方程式を解いていた。
方程式はまだ解を定めていない。
これから次第。
xは100にも0なりうるんだから。
少しだけ未来に期待してもいいよな。
少しぐらいなら______

この時、俺は前しか見えてないただのガキだった。
未来の自分が愛を悲しませるとも知らずに。