「大丈夫、だーいじょうぶ!
誰にも言ってないし、言わないから!」

「本当だろうな……」

岡崎はムードメーカーなだけに口が緩い。
すぐになんでもネタにするから用心しとかないと。

「本当だって!信じてねーだろ!
愛ちゃんとも約束したし?俺だって男だし?信頼してよ~」

お得意のテへペロ顔。この野郎…。

「……まあ、いいけど…
一応信じとく」

一応、な。

「にしてもさー、結構大胆な所あるんだね、康でもさ」

「…うるさい」

場から逃げるため、給食のピラフを一気に頬張る。
これが意外と美味い。

「はー、お前もリア充デビューかぁ…」

「かと言って非リアだった訳でもない」

「まーねー。
で、今日で2日目なんでしょ?
こっからが本番だからね。
本場イギリス仕込みのテクニック教えましょうか?恋愛と言うのはなぁ」

本場ねぇ、ここは日本だそ。お前も日本人だろ。

「うるはい、そんなのはいらはい」

「食べるか喋るかどっちかにしろよ…。
女の子だったら許すけどそれはないわー」

海外行ってると、同じ歳でも倍ぐらい人生経験違うんだな。
関心。関心。

「まあ、頑張れよ。マネージャー勧誘とかさ結構食い気味に入ってたね、あれ」

「……勝手に言ってろ…」

「ちぇー、冷たいのー」

やっと冷めたように食べるのを再開する岡崎。
そんなことはさて置いて、俺はいつもより5分早く食べ終わった。