いつもは独りで帰るこの道も吉川君と一緒だったら不思議と楽しい。
こんな事で喜んでる私は幸せ者?
だって吉川君といるだけで胸がときめく感じがする。
こんな事って今までなかったから。
こんな事ぐらいで幸せなんだ。

じーっと吉川君の顔を見てるのにも気が付かず

「……なんか、ついてる?顔に?」

なんて聞かれた時はビックリしたのが顔まで出てしまった。
即座に手を合わせて、お辞儀をした。

「顔真っ赤、大丈夫だから」

堅い表情はそうそう動かせないようです。
声のトーンはコロコロ変わるのに。

ここは私の意地の悪さを見せる。

【笑って!】

「……?」

ズンとメモ帳を顔に近づけてやる。

「……な、なんで……」

動揺はしてるみたいだ。

【昨日みたいに笑ってみて!】

「え、やだ」

くぅ、こうなったらなんとしても笑わせたい。

【わーらーえー】

「えー。…じゃあ、笑わせてみなよ」

むぅ、一筋縄ではいかないようだ。
帰るまでになんとしても……。
笑わせなければっ!

こうして楽しい楽しい下校時間が始まったのだった_________