無声な私。無表情の君。

体育館の扉を開けると誰1人いない中にポツンと私1人。
結構広いんだな、これが。
まあ、これぐらいないと卓球と、バスケと、バレーを一緒にできませんからね。
全校朝礼とかも出来ないしね。
個人的にはもう少し狭い方がいいなんて思ったりもするんだけどね。
仕方無い、仕方無い。

続いて体育館倉庫を開ける。

あ、そういえば真琴って体育館倉庫の事、

「体育倉庫」

って言うんだよね。まあ、分からんでもないが。
私も小学校の頃とか言ってたし。
あの略し方は何なんだろう。
体育倉庫って結構定着してるんだよね。私たちだけでなく皆体育倉庫って呼んでるし。
倉庫のプレートには

《体育館倉庫》

って書いてあるのに。
そう考えると体育館って結構知らない事が多い。
それと、式用のシートが見た目よりはるかに重い。
どうにかならないのか。あれは。

グタグタ文句思ったりしながら、ボールを出しておいた。
得点板って練習で使うのかな?
出すべき?出さないべき?
迷ってる間に誰かの足音がする。
誰か来た。

「お願いします」

ハキハキと声を出して体育館に入ってきたのは_______

「お、流石A組。早かったな」

部活で主将の吉川君でした。