無声な私。無表情の君。

朝練の最後、部員の皆さんで片付けをする。慣れない作業に私は足を引っ張ってばかりだ。

「古田さーん!おはよ!」

朝からテンションMAXな岡崎君。私の名前を覚えてくれていた。

「マネージャーになるの?」

【なるかもです】

「そっか。古田さんみたいな可愛い子が部にいたら皆喜ぶだろうね!」

岡崎君は見た目はチャラチャラしてるけど練習してる時は本当にカッコイイ。彼氏がいる私が思うのもなんだけど。

【そんなことないです】

「あ、そう言えばさ、俺の事覚えてる?1年の時に同クラだったの」

コクコク

そう、彼の名前は岡崎稔人(おかざき みのる)1年の時は名前が読めなくて困ったものだ。クラスのムードメーカー的存在で、意外と勉強もできる。チャラいけど。

「良かった~。俺1回喋りたかったんだよね。古田さんと。これからはタメタメでいいよ」

【じゃあ、よろしく!稔人君?】

思い切って名前で呼んでみた。こういうのは思い切りが大事だって何かの本で読んだことがある。

「おっ!nicecommunication!」

ちなみに、彼は帰国子女である。恐ろしや。

【Nice to meet you】

「Nice to meet you too!って合わせてくれなくて大丈夫なのに」

面白くて、楽しい人。こっちまで楽しくなる。
これならマネージャー、なってもいいかな…。なんて思ってしまった。

あんな光景を見るとも知らずに______