無声な私。無表情の君。

けど、学校についた時吉川君が

「ついてきて」

って言うもんですから、すぐ別れないことを嬉しく思う。

連れて来られたのは体育館。

「はい、これ」

鍵と白色のホイッスルを渡される。
………え?
私にどうしろと?何やればいい訳?

【?】

色々分からないので、[?]に全てを詰め込んだ。

「今日1日、マネージャー体験」

なんですとォォォ!
私、バスケのルール知らないよ?しかも、ホイッスル子供の頃に吹いたけど出た音は

ヒョロロロロロ

って感じ。最近は声も出してないから音が鳴るかも心配。
試しにひと吹き。

ヒュルルル……

え、私ってこんなに肺活量無いの!?
結構吹き込んだつもりだったんだけど……。

「こっちにする?」

出されたのは電子ホイッスル。最初から出してよ!これじゃあ公開処刑もいいところじゃん。

ヒュゥ

ホイッスルで返事をする。これは中々便利な道具かもしれない。

「それ、あげようか」

ヒュ

鳴らしながら頷いた。楽しい。会話してるみたい。こんなのは久しぶりだ。

「あ、駄目だ。それ部費で買ったから」

ひょいと取り上げられてしまう。
ちょっと残念だけど、仕方無い。
そして、また何か持ってきた。

「これ、俺の私物だからあげる」

それは青いホイッスルだった。
投げ渡されてなんとか受け取る。
くわえて

ヒュイ

と鳴らした。さっきのより大きな音だった気がした。

「……あ」

ヒュゥ

首をかしげる。真っ赤な顔になって何かを思い出したようだった。

「……それ、昨日洗い忘れてた…///」

へ?本当に?って事は……

間接き、ききききす!?
ひやぁぁぁぁあ。

付き合って2日目。展開についていけません、全くね。
早すぎですよ。
もう新幹線を走って追いかけてるようなものですからねー。わはは(棒)
置いてかれるぞ。いつか。

でもさ

【大丈夫】

嬉しかったりもする。

【だって】

「?」

【私、吉川君の彼女だもん】

「…!…ありがと……///」

【練習fight!】

ピュル

笑顔で送る。マネージャーってこんな感じなのかな?

朝から胸いっぱいの幸せ。
こんな日々がいつまでも続きますように。