コクリ
こんな時間に家を出たら、暇になるに決まってる。それも承知で家を出た。
「なら、俺が忙しくしてやる」
ガシッ
手を繋がれる。そして、無理矢理引っ張られる。
吉川君って……吉川君って……
こんなにも大胆だったか!?
てか、歩くスピード速すぎ。ついてけない。やっぱり男の子だね。あ、失礼か。
流石に大変になってきたし背中をポンポンと叩いてギブアップのサイン。
すると理解してくれたのか。立ち止まり、手を離してくれる。
「ごめん。無我夢中だった」
冷静そうな彼にしてみては意外だった。でも、何でだろう…
嬉しい。
尽くしてくれてるって事?ダメだ。期待してしまう。