家の玄関の鍵を閉めて、心の中で「行ってきます」と呟く。

誰に言ってるんだろうね。
お母さんたちに届いてるといいなぁ、なんて思ったりもする。

「…はよ」

って、うわぁぁ!ビックリした。

そこには吉川君が私のすぐ背後に現れていた。
私はメモ帳を取り出して

【おはよ、すごいびっくりした】

「ビックリさせたからね」

【いじわる】

「昨日の愛の不意打ちの方がいじわるだった」

ニコッって笑う。勿論私だけ。でも彼も楽しんでいるのが良くわかる。
あれ、てか吉川君部活してたよね?

【朝練は?】

「今から。愛こそ朝、何もないのにこんな早くに行ってるのか?」

それは……。
吉川君に早く会いたかったから……。
でも、こんな事恥ずかしすぎて絶対書けない。

フルフル

【今日はぐうぜんいつもより早く起きたから】

「じゃあ、朝暇なのか?」