え、え、え、えーとぉぉお!!

異性の人に呼び捨てで呼ばれたのは、小学校以来のはず。こんなにもドキドキするものだったか!?
身体中の体温が一気に上がった感じ。
顔が耳まで赤くなってると思う…。
暑いし、恥ずかしい。

「俺もなんでもいいから」

この場合、名前で呼ぶべき?いや、そんな高度な事、とても私には出来ない。

【では、吉川君でお願いします】

よし、これでいいんだよね。

「あと、俺ら同い年だろ?敬語使わなくていいから」

た、タメ口!?まぁ、そうだよね。やりづらいよね。敬語じゃあ。

【わかった】

あぁ、失礼にしか思えない。

「……その方がいい。さて、さっきはどうしたんだ」

………。
やっぱり気になるよね。書きたくないけど、帰るには書いた方がいいんだよね。助けてくれたんだし、これで罪償いができるならいいや。

【話、長くてもいい?】

「………話してくれるのか…」

コクリ

少しだけ確信する。プライバシー無いようで、少しはあるみたい。

ちょっとだけ彼に心を許す気になった。

「ありがとう」

少し顔が緩んだように見えた。