無声な私。無表情の君。

「もちろん。良いに決まってる」

再び、足が暴れだす。
心臓の鼓動も。

「本当に?!良かったぁ~。ちょっと沈黙があったからダメかと思ってた」

「あぁ、さっきの。それなら俺の欠伸だ。すまん」

あ、欠伸.......。

「うそでしょ...本気でドキドキしたのに...」

「本気だって。それより、愛の方こそ時間、いいのか?課題とか出てるんだろ?」

もちろん週末課題が大量に出されてはいるが、今は康介ととにかく喋りたい。
というか、本当に優香の言った通り、康介が私の勉強について心配していてくれたことにビックリ。

「あー、気にしないで。金曜日は殆ど勉強なんかしないから」

「そうか、じゃあ。朝まで話しても大丈夫そうだな...」

「あ、朝まで!?」

「カップルの電話と言えばそうだろ」

「明日の部活は...?」

「まだ、体験入部だから明日はフリー。問題ない」

「そっか...じゃあ...........」

「...........?どうした?」

「朝まで康介のこと独占できる♪」

「たくさん話がありそうだな.....」

「うん!そうなんだ!私ね、実はね優香とクラスが_______________」

っとまぁ、あとは察しの通り、たっぷりお話した。
通話時間7:23
最後らへんは何を話したかもあまり覚えていない。
二人して寝落ちしてたみたい。
起きたとき、康介の寝息が聞こえたとき、起こそうか迷ったけど、私の愚痴話に付き合ってもらったし、寝息が可愛くて2分ほど寝息を聞いたあとに

「おやすみなさい」

って小声で言って通話を切った。
もちろんその前には通話時間をスクリーンショットして。
会える日自体が少なくなって、お互いの不安を覚えるかもしれない。
時には高校の男の子の話だってするかもしれない。
けど、これからは毎週金曜日の夜には不安を消し去ることができる。
毎週金曜日の夜の康介は私が独占することになったから。
そして、私が康介を一生独占するのはかなり先の話になる。









無声な私。無表情の君。番外編~春~ end