高校生活が始まってすぐのこと。
私の入学した高校は私の自宅からは少し遠い。
したがって、知ってる顔もほぼいなく、全く新しい学校生活が始まっている。
こうして私は"4"月早々、"5"月病になっているのだ。
失声症もだいたい治り、今は【無口の古田さん】として教室に存在している。
個人的には、話をされたら返すし、授業でもきちんと当てられたら答えている。
本当に個人的には超頑張ってるつもり。
頑張ってる...つもり...。
いいじゃない!これが私の個性なんだから!
.........

もしかして...私...

コミュ障なのかな......

康介に会いたい......

こぉすけぇぇぇ..............

今は昼休み。
親友で同中の優香とお昼ご飯を食べている。
奇跡的に優香と私は一緒のクラスだったから神様には本当に感謝している。
してもし足りないくらいに。

「リア充爆発しろ」

「え、」

「今どうせ【こぉすけぇぇぇ.........】とか考えてたでしょ」

「な、なんでわかったの...」

怖い。人の感情を読み取れるのか?この女は。

「まぁ、私も高校になって愛意外の面子とあんまり喋らないし、席が遠い授業中とかの話し合い?あれほんと地獄。だから授業中とか中学の頃に戻りたい!とか、愛の隣の席に行きてー、とか思ってるわけ。わかる?」

「わかる!わかるよ、優香!」

ものすごく共感した。
高校って入学する前からネットで知り合ってたり、入学しても近くの中学校の子がほとんどで、入学式当日の朝、クラス内では大まかなグループが完成していた。
...ってなわけで、私と優香は二人組で同中のグループとして過ごしている。
今年は良かったものの来年が今から心配だ。
ホームシックならぬ中学校シック...。

「まぁ、吉川とも付き合って初めて離れ離れになるわけだし。軽めに連絡しあっとけばアイツも愛の精神安定剤ぐらいにはなるだろ」

「あー、確かに暫く連絡してないしなぁ…」

「......はぁ?!」

急に優香が驚くから私もつられて驚いた。

「え...?」

「吉川と連絡してないのぉ!?」

「う、うん...したらウザいかなー?って」

「嘘でしょ...いつから?」

「そ、卒業式...?」

「卒業式ぃ?!?」

「何かヤバいことある...?」

「おおありよ!お、お、あ、り!このままだとあんたたち自然消滅しちゃうかも知れないじゃん!」

「そうだけど、私春休みの課題で忙しかったし、むこうも連絡してこないから忙しいのかなー、って」

自称進学校の闇である大量の課題に追われ、春休みはあまり遊んだら記憶がない。
ずっと家にいたような...。

「......ばかねぇ。むこうも多分同じこと考えてるわ、きっと」

「...ど、どうしてわかるの?」

やはり、この女、魔女だったか...。

「まぁ、今日くらい連絡しなさいよ?金曜日だし。そうねぇ...こんだけ喋れるようになったんだから電話でもしてみたら?」

電話...暫くやってないなぁ...。
連絡網とかは聞くだけにさせてもらってたし、失声症になる前もだけどセールスの電話とか無言で切ってたし。

「この先忙しくなるのはほぼ確定なんだし、華のJK、今するしかないじゃん!」

「んー...わかったぁ...」

かくして私は久しぶりに康介と連絡することにした。