「愛ちゃーん!」
今度は稔人君の登場。
次から次へと忙しいバスケ部員。
闘牛みたくこちらへ向かってくる。
待て、落ち着け。
このままじゃあ……
「ぶつかるぅぅぅぅうう!!!」
ヤバイ。マジで。
ど、どうしよう…。
あたふたしている間に減速不能な牛が向かってくる。
私がとった行動は
「止まんねぇえ!」
しゃがむ事だった。
ビターンッッ
見事に体育館の扉に顔面から突っ込んで行った、稔人君でした。
なんとか私も轢かれずに済んだのでめでたしめでたし。
「いったぁい……」
その光景に少し顔が緩んでしまう。
「あー!笑ったな〜」
気づかれたようだ。
【だってさ】
ダメだ。
ツボに入った。
抑えられない。
文字もガタガタ。
「このやろー!」
更に追い討ちでくすぐってきた。
あ、ダメ。
腹筋崩壊。痛すぎる。
声出して笑いたい。
「もぅ、って、あれ?」
ポタポタと後になって垂れてきた鼻血。
「嘘だー…。信じられねー…」
相当ショックだったらしい。
無理もない。
あれだけ勢い良く扉と衝突したんだから。
鼻血が出ない方が可笑しい。
鼻の表面も擦れてるし。
ポケットからティッシュを出して稔人君に渡した。
「ごめん…」
【はな、手当するから着替える前に来て】
「は〜い」
ようやく私は体育館に入れたのだった。
体育館を開けたあと、救急箱を取った。
微かに香る消毒の匂いは嫌いではない。
ジェスチャーで稔人君を呼んだ。
「いいって、いいって。
もう、鼻血止まったしさ。
それにこれぐらいの擦り傷はツバつけときゃ治るっしょ」
軽い。
あんだけぶつかっといて軽すぎる。
グイッと鼻をつまんでやる。
「ぐぎゃぁぁぁぁあ!!!」
生傷にこれは痛い。
承知の上でやりました。はい。
そして、そのまま消毒をかけて念のための消毒をする。
膿んだらアレだし。
そんでもって大きめのカットバンを鼻に貼り付けた。
小学生の野球少年がやりがちな感じに仕上がった。
本人は中学生のバスケット少年だが。
「へ、変じゃねぇよな?」
【大丈夫!ほしょーするから】
本当は可愛く仕上がってるんだけどね。
「おし!あざっす。
今日、康は休むらしいから2人で引っ張ってこーぜ」
【おー!】
ノリノリで拳と拳を合わせる。
ちょっとだけヒリヒリしたけど気にしない。
康介のおかげで仲の良い男子なら少しずつ触れられるようになった。
部員の手当とかもしないといけないし。
まあ、要するに慣れだ。慣れ。
「愛ちゃん、康、大丈夫だと思うか?」
稔人君は急にしんみりした顔で言った。
「あいつさ、最近可笑しいんだよな。
話しかけても無愛想だし……。
前までは俺が話しかけたら康なりに優しく接してくれてたのにさ。
しかも、暇があれば……」
?
急に話が途切れる。
【どしたの?】
不安になって、聞いてみた。
この時、聞かなければ良かったと後悔したのは、この後30秒にも満たない。
「愛ちゃんの事、見に行ってるんだぜ」
朝から稔人君と話すと1つ1つ丁寧に爆弾の自爆ボタンを押している気分になる。
しかも、いつもは明るい稔人君が言うから威力は倍増。
お願いだから、いつもの稔人君でいてください。
さっきみたいに明るく………。
無理だよね。
康介があれだもん。
明るい方が逆に可笑しい。
今日の私みたいに。
そう、可笑しかった。
今日の私は。
〜ウヌボレルナ〜
誰かが私にそう言ってる感じがした。
今度は稔人君の登場。
次から次へと忙しいバスケ部員。
闘牛みたくこちらへ向かってくる。
待て、落ち着け。
このままじゃあ……
「ぶつかるぅぅぅぅうう!!!」
ヤバイ。マジで。
ど、どうしよう…。
あたふたしている間に減速不能な牛が向かってくる。
私がとった行動は
「止まんねぇえ!」
しゃがむ事だった。
ビターンッッ
見事に体育館の扉に顔面から突っ込んで行った、稔人君でした。
なんとか私も轢かれずに済んだのでめでたしめでたし。
「いったぁい……」
その光景に少し顔が緩んでしまう。
「あー!笑ったな〜」
気づかれたようだ。
【だってさ】
ダメだ。
ツボに入った。
抑えられない。
文字もガタガタ。
「このやろー!」
更に追い討ちでくすぐってきた。
あ、ダメ。
腹筋崩壊。痛すぎる。
声出して笑いたい。
「もぅ、って、あれ?」
ポタポタと後になって垂れてきた鼻血。
「嘘だー…。信じられねー…」
相当ショックだったらしい。
無理もない。
あれだけ勢い良く扉と衝突したんだから。
鼻血が出ない方が可笑しい。
鼻の表面も擦れてるし。
ポケットからティッシュを出して稔人君に渡した。
「ごめん…」
【はな、手当するから着替える前に来て】
「は〜い」
ようやく私は体育館に入れたのだった。
体育館を開けたあと、救急箱を取った。
微かに香る消毒の匂いは嫌いではない。
ジェスチャーで稔人君を呼んだ。
「いいって、いいって。
もう、鼻血止まったしさ。
それにこれぐらいの擦り傷はツバつけときゃ治るっしょ」
軽い。
あんだけぶつかっといて軽すぎる。
グイッと鼻をつまんでやる。
「ぐぎゃぁぁぁぁあ!!!」
生傷にこれは痛い。
承知の上でやりました。はい。
そして、そのまま消毒をかけて念のための消毒をする。
膿んだらアレだし。
そんでもって大きめのカットバンを鼻に貼り付けた。
小学生の野球少年がやりがちな感じに仕上がった。
本人は中学生のバスケット少年だが。
「へ、変じゃねぇよな?」
【大丈夫!ほしょーするから】
本当は可愛く仕上がってるんだけどね。
「おし!あざっす。
今日、康は休むらしいから2人で引っ張ってこーぜ」
【おー!】
ノリノリで拳と拳を合わせる。
ちょっとだけヒリヒリしたけど気にしない。
康介のおかげで仲の良い男子なら少しずつ触れられるようになった。
部員の手当とかもしないといけないし。
まあ、要するに慣れだ。慣れ。
「愛ちゃん、康、大丈夫だと思うか?」
稔人君は急にしんみりした顔で言った。
「あいつさ、最近可笑しいんだよな。
話しかけても無愛想だし……。
前までは俺が話しかけたら康なりに優しく接してくれてたのにさ。
しかも、暇があれば……」
?
急に話が途切れる。
【どしたの?】
不安になって、聞いてみた。
この時、聞かなければ良かったと後悔したのは、この後30秒にも満たない。
「愛ちゃんの事、見に行ってるんだぜ」
朝から稔人君と話すと1つ1つ丁寧に爆弾の自爆ボタンを押している気分になる。
しかも、いつもは明るい稔人君が言うから威力は倍増。
お願いだから、いつもの稔人君でいてください。
さっきみたいに明るく………。
無理だよね。
康介があれだもん。
明るい方が逆に可笑しい。
今日の私みたいに。
そう、可笑しかった。
今日の私は。
〜ウヌボレルナ〜
誰かが私にそう言ってる感じがした。
