「叶ちゃんには、言おうか迷ってたんだけど…」 急に真剣な顔をする大翔さんを見て、少し不安になった。 「龍の母親はシングルマザーなんだ… しかも、癌と戦ってる。」 そんなにも苦しい現実と龍は戦ってたんだね… 「いつからか、あいつは笑わなくなっていったんだ。 俺の店に来ても、どこか寂しげに笑ってて… どうしたんだよって言っても、なんでもねぇの一点張りでさ。 でも、ある日、見てしまったんだ… あいつが病院に入るとこ。 店に来たあいつに話すと、全てを打ち明けてくれたんだ…」