「…悠?」

なにも…知らねぇで…

「ゆ……んんっ…!?」

俺は知らないうちに美緒の唇を奪っていた。

「んっ…!悠っ!?」

畜生…

なんだよ、なんで…

「なんで…俺じゃねぇんだ…」

「…悠っ…?」

唇を離すと美緒が怯えた目で俺を見てくる。

…やっちまったか、とうとう。

今まで散々堪えてきたってのに…

「悠…なんで……」

美緒がそう言ってまた涙を流す。

…こっちが聞きてぇよ。

なんで…わかってくれない?

こんなに、こんなに想ってんのに…

なんで…