美緒がシートの間から顔をのぞかせる。 「ううん、なんにも」 「そう?」 美緒はそう言うと前に向き直ってまた朝陽と喋り出す。 悠はムスッとしてイヤホンを耳に付けた。 僕は苦笑して雑誌を取り、 黙ってその場を見守った。