その日、数ヶ月ぶりに日本へ帰ってきた父親に会いに、桜華は指定されたレストランへ向かっていた。

雛子の具合が良ければ、その席に一緒に行きたかったが、風邪を引いたようで安静にさせるため、今回は諦めることにした。

ただ一人でも雛子の事を伝える決心はついていた。

きっと、反対するだろう。

諦めるつもりはないが、尋常じゃないほどの妨害があるのは確かだ。

レストランへの道、少し緊張している自分に、なんだか笑えながら、強い決意をしていた。