雛子は幼稚園に来ていた。

大切な我が子を迎えに…。

隣には史乃がいる。

実は、三年前、晋也から裏金の証拠を盗んできたのは史乃と柳瀬だった。

離れていようと、二人は雛子を守ろうとしていたのだった。

後から、それを聞いた雛子は、二人を側におきたいと強く願い、今にいたる。

史乃は相変わらず、雛子の世話を焼いていた。

変わった所と言えば、世話を焼く相手が、増えたことだけだ。

柳瀬は、尚人と共に、桜華の秘書をしつつ、執事業務もこなした。

雛子は、我が子を車に乗せ、家路を急いだ。