甘い時 〜囚われた心〜

「雛子…」

体を離し、雛子の左手を取った。

そして、ポケットから、小さな箱を取りだした。

箱を開け、雛子の薬指にキラキラ光る指輪をはめる。

「桜華?」

「雛子…結婚しよう?雛子とこの子は俺が一生かけて幸せにする」

ポロポロと涙を流し、指輪を見つめる。

「いや?」

プルプルと首を振る。

「私でいいの?」

「雛子しかいないよ…俺を幸せにできるのは…」

雛子の顔を手で包み込み、額をくっ付ける。

自然と笑顔になる二人。

「結婚しよう?」

「はい…」

ふわりと唇が重なった。

まるで誓いの口づけのように…