甘い時 〜囚われた心〜

晋也と別れ、部屋を出て玄関に向かった。

「…」

玄関に、祐希奈が立っていた。

「そんなに雛子がいいの?私にだってキスしてくれたじゃない!」

桜華の胸に飛び込み振るえている。

「私を選んでよ!」

桜華にキスをしてきた。

冷めたように祐希奈を見下ろす。

「きゃっ!」

祐希奈の両手を掴み、頭の上で一つに拘束し、壁に押し当てる。

「桜華様!何をっ」

尚人が焦って止めようとするが、睨み付けられ静止された。

「なっに…?」

少し怯えた祐希奈が振るえている。

「相手してほしいんだろ?してやるよ」

祐希奈の首筋に唇を落とす。

「あっ…」

ピリッとした甘い痺れに体が反応した。

「雛子…」

「えっ…」

突然の事に、閉じていた目が見開いた。

「今…なんて?」

「俺は雛子しかいらない。相手してほしいつーなら、雛子の代わりでしか抱かない」

「やだ…」

祐希奈の目に涙が溢れた。

「黙れよ。お前を喜ばすつもりなんてないんだ」

自分を見下ろす目に、愛情なんて少しもないことに足が力を失って崩れていく。