テラスに出て、桜華を見送る。

車に乗る前に雛子に気付き、軽く手を振った。

雛子も答えて手を振る。

去っていく車を見えなくなるまで見送った。


「赤ちゃん…桜華が帰ってきたら話すから…きっと喜んでくれる…桜華なら、きっと…あなたを愛してくれるわ…」


優しく下腹部を撫でて話しかけた。



車が見えなくなると、部屋に戻り、隠した毛糸と編み棒を取りだし、編み物を再開した。