「いや~。お疲れ様~」
パチパチ手を叩きながら、こちらに向かって来るのは、担担麺だ。
「てんめっ・・・!あぅっ?!」
立ち上がろうとしたとんこつは、慣れないヒールで疲れ切った足が痺れているせいか、その勢いのまま、ドスンッと地面にへたり込んだ。
「あんまり無理しない方が、いいと思うよ~?」
クスクス笑いながら、担担麺が言う。
「ま。なにはともあれ、労いの気持ちは本心さ。本当にお疲れ様」
気味悪いくらいに素直な担担麺を、四人は、
「うへぁ・・・」
「アイツ、なんか変なもんでも食ったんでねか?」
「ありえないよね・・・。ま、ありがとうございますだけどさ」
「熱、測りますか?」
「君たち、割と酷いね」
目を細めた担担麺は、四人を無理やり立たせた。
「ぐぁっ?!」
「ってぇ・・・!」
「ちょっ、何っ?!」
「いっ、痛っ・・・!」
「このままでいいのかい?ちゃんと制服に着替えておいで」
バシンッと、まるで生まれたての小鹿のように足をガクブルさせる四人の背中を叩いた担担麺は、
「ふぅ」
と一息ついた。
「これで、この学園の評価も少しぐらいは、上がったんじゃないかな?」
どこまでもドSで、どこまでも策略家な担担麺だった。


