嗚呼っ、美しきイケ麺’sよ!


「ふい~・・・。しゅーりょー!」


 大きく伸びをしたやきそばは、『本日完売』の札を屋台に立てかけた。


「こっちもだ~」


 うどんはこきこきと首を回した。


「うがあっ!」

「疲れっ・・・た、ぁああ!」

「足が、イタイ・・・ですね・・・」

「靴擦れ、なまらいてえべやぁ・・・」


 その場にストンと座り込んだ美女四人は、足を大きく開き、目も当てられない状態である。


「ちょっと、足、足」


 みかねたそばが、苦笑いしながら四人の足をパスパス叩く。

 襲いかかってきた客たちはもういない。

 丁度学園祭が終わるのより、十分早くやきそばの麺が無くなったのだ。


「お疲れ様だったな。やきそば、うどん」


 疲れ切った二人に労いの声をかけたのは、ミネラルウォーターの入ったペットボトルをてにしたざるそばだった。


「おお。サンキュなー」


 ペットボトルを受け取ったうどんは、一気に半分まで飲み干した。


「お前たちも。お疲れ様」


 今度は麦茶が入った小さめのペットボトルを、美女四人に渡したざるそば。


「ありざーっす」

「ありがとうございます」

「ありがとうございますー」

「ありごとうごぜえやす」


 すると四人は、同時に開封し、同時に飲み干したのだった。