「これでいいんですか」
「うんー」
数十分が経過した。
つまらなさそうな顔をした生徒会の一員、渡小月は女装した三人の背中をポンッと叩くと、軽く腰を曲げ生徒会室を出て行った。
「うんうん。いいよいいよー」
「担担麺、アブないおっさんみてえ」
ニヤニヤする担担麺を指差しながら、とんこつが腹を抱えてゲラゲラ笑った。
「ん?なにか言ったかい?」
片手でとんこつの顔をグッと掴んだ担担麺は、ニコリと笑ってとんこつにそう訊いた。
「ふぁ、ふぁんれもふぁいれふ」
ふぁーふぁー声を出した名がらとんこつが言うと、担担麺は冷たい眼差しの笑みを浮かべたまま、とんこつの顔を掴んでいた手を離し、
「ならいいよ」
パンパンと手を払った。
「んなことよりよー」
みそが、再び着せられたフィットパンツのポケットに手を突っ込み、顎を前に突き出した人を馬鹿にした見下し態度で担担麺に言う。
「俺たちゃ、どーすりゃいいんでぃ?」
「ああ。そうだったね。まぁ、取りあえず、四人仲良く横に並んでもらっていいかい?」
担担麺はそう言うと、ポケットからケータイを取り出し、何やら操作し始めた。
「ああん?横ぉ?」
訝しげに言いながらとんこつは、ソファーから立ち上がり、グッタリとした三人の横に並んだ。
「うん、横」
ニヤリと笑い、担担麺はケータイのカメラを四人に向けた。


