「君たちにはまだやってもらいたいことが残ってるんだ。勝手に着替えてもらっちゃぁ、困るなぁ」
「はい?」
「えっ、まっ」
「ウソだろぉ?」
「俺はこのままでいいんか」
スッと音もなくしお、しょうゆ、みそに近付いた担担麺は、三人の前で仁王立ちし、パチン!と指を鳴らした。
と、どこからか、現れたのは
「会長。もうめんどくさいんで、これっきりにしてくださいよ」
「失礼だなぁ、君はいつも」
どうやら、生徒会の一員らしき人物が呆れ顔で生徒会室に入室してきたかと思うと、三人の腕を一まとめに掴んだ。あはは、と笑った担担麺は
「じゃ、よろしくね」
戸惑いの色が隠せない三人の背中をポスッと叩くと、ニコリと不敵な笑みを浮かべた。
「え?え?ちょっ、おれ、逃げていい?」
「よかねぇべや。言ったべ?死ぬときは一緒だってな」
「それは僕に向けて言った言葉ではないですね、はい。なら僕は無関係です。この手を離してください!」
「うんにゃ、しおぅ。お前も、一緒じゃ」
「何言ってるんです!今すぐ前言撤回しなさい!!」
「しお、無駄なあがきはやめよう?無駄に体力を使うだけだよ」
悟りを開いたしょうゆが、必死に逃げようとするしおを宥める。
「悟っちまったか・・・」
情けの色をした瞳のとんこつは、スカートだというのに、股をカパッと開いて、ソファーにふんぞり返って座っている。
「君・・・。少しは、自分の今の格好を考えたらどうだい?」
さすがの担担麺も、これには引いたようだ。


