嗚呼っ、美しきイケ麺’sよ!


「だからねー・・・」

 
 そう言いながら、担担麺はマイクのスイッチをオンにした。


「えー皆様ー」


 生徒会室にあるスピーカーから、担担麺の声が遅れて、ムスッとしてソファーに腰掛けるとんこつの鼓膜を震わせる。


「先程放送いたしました四人の美女は、無事捕えることができましたー。ご協力、ありがとうございました。ご協力いただいた皆様には、豪華賞品として、我が生徒会の副会長、やきそば営みます屋台のやきそばを無料で一食さしあげたいと思います」

「えぇっ!?聞いてないよ、担担麺!?」


 マイクのスイッチを切った担担麺は、目を白黒させているやきそばと、ソファーに腰掛けるとんこつの方に向き直った。

 いつの間にか、とんこつの後ろには、制服に着替えたしょうゆ、みそ、しおが立っていた。


「だから、もうこのゲームは終了」

 
 生徒会室の机に浅く腰掛け、担担麺はニコッと笑った。


「ってかてか!!担担麺!!なんで、俺の屋台のやきそば無料で配っちゃうの?!」

「え?だって、君、腐っても副会長でしょ?この学園の印象アップのためならどんなことでもしますって言ったじゃないか」

「ええっ!?言ってねえよ!」

「いいや、言ったね。確かにこの耳で聞いたんだ」

「むぅ~・・・」


 膨れたやきそばは生徒会室から出て、自分の屋台のある校庭へと向かった。

 その様子を生徒会室から眺めていた担担麺は、フッと口角を上げ、


「うんうん。頑張ってくれたまえよ」


 小さく頷いた。


「さぁ~て」


 とんこつたちの方に向き直った担担麺は、再びニヤリと不敵に笑った。