「奥の方にいますよー」
「なにっ?!」
「んんんんんっ?!?!」
だ、だだだっ誰だ!!誰の声だ!!!
これまでにない程の焦りを見せるとんこつは、声が聞こえた方、上の方を見ると。
「あんにゃろおおおおおおおお!!!」
「あ、出てきた!」
「袋の鼠だよ~ん、カワイ子ちゃぁーーん」
「どけ!邪魔だぁ!くっそ、あんにゃろうがぁ!」
「えっ、ちょっ、痛っ!」
雄叫びを上げたとんこつは、とんこつを探しに来た男を払いのけ、体育倉庫から飛び出る。
そう。上には、校内スピーカーがあったのだ。
アイツだ!ことの発端のアイツに決まってらぁ!!
とんこつは、無我夢中で放送を流した男のいる場所、生徒会室を目指した。
「くっそ!走りにきぃなぁ!!この靴はぁ!!はっ、はっ、はっ」
息を切らして、悪態をついて、とりあえずものすごい形相でとんこつは校内の廊下をひた走る。
「あっ!脱ぎゃいいんだ!俺、天才!!」
追って来る男共とは、かなり距離がある。
とんこつは一旦止まると、ブーツを脱ぎ捨て、再び鬼の形相で走り出した。


