「うぅ・・・」
一体どれだけそうしていたことだろうか。
タイムリミットまで残り五分を切った。
もう一眠りすればきっといつの間にか、タイムリミットも過ぎていることだろう。
「寝るかぁ・・・」
とんこつは、タオルを膝にかけ直し、腕を組んで頭を下に向けた。
と。
「いたぞーー!!」
「うあっ?!」
突然の大きな声に、びっくりしたとんこつはバッと顔を上向かせる。
ガラガラッ!
「くっ・・・!!」
倉庫のドアが開く音とほぼ同時に、とんこつは倉庫の奥の奥の方へ隠れた。
「ウワサだとロックなおねーちゃんらしい」
「『アイロッキュー!』的なね?」
「いいねー。ギター?ギターとかフツーに弾いちゃうの?ねぇねぇ、ギターとか弾いちゃうの?」
まともな人間は約二割。
気持ち悪ぃ~~!!と思いながら、息を殺して、成り行きを見守るとんこつ。
「どこかな~?」
「くまなく探せ!!」
「なんか、アブナイお仕事してる人みてぇだわ」
「なー」
そう思うなら帰れや!!
叫びたくても、叫べないとんこつは、下唇をギュゥッと噛むことしかできなかった。


