嗚呼っ、美しきイケ麺’sよ!


「ん・・・、?あ、ああ?」


 やきそばがいなくなってから数分が経った頃、とんこつがパチリと目を覚ました。


「あれ・・・?寝てた、のか・・・、俺?」


 首を傾げるとんこつ。


「ん?」


 と、気付く。膝にかかっているタオルに。


「誰んだ?コレ」


 そのタオルを摘み上げ、いぶかしげにとんこつが言う。確実に、自分の物ではないそれをとんこつの膝にかけてくれた心優しき人物に、お礼を言わなくては、ととんこつはそう思った。


「少しは寒くなくなったか・・・?」


 小さなタオルで、この寒さをしのぐことは到底ムリだが、それでもかけてくれた人物に心からの感謝を述べるとんこつ。


「誰だか知んねぇが、ありがとうございます。少しはマシになったッス」


 とんこつは、空想の心優しき人物に頭を下げると、ケータイで時間を確認した。


「残り・・・、七分、か・・・」


 タオルを首にかけ直すと、とんこつは体育座りをした。


「やっぱ寒ぃ」


 腕を擦り、摩擦熱を少しでも起こそうと努力するとんこつ。