嗚呼っ、美しきイケ麺’sよ!


「ん・・・」


 体育倉庫にある跳び箱に背中を預け、あぐらをかくとんこつは、いつの間にか深い眠りについていた。


「ん、ぅ・・・」


 スゥスゥと正確なリズムを刻むとんこつの寝息。時折、その寒さからか「ん、」と息が詰まり、顔をしかめる。


「はぁ・・・。寝てるよ・・・」


 すやすやととんこつの立てる寝息が鼓膜を震わせながら、いつの間にそこにいたのか、やきそばが呆れがちにそう言った。


「監視カメラで見てたからねぇ・・・。そりゃ隠れた場所も分かるよ」


 苦笑いを零すと、やきそばは正確な寝息のリズムを刻むとんこつの前にしゃがみこんだ。


「こんなとこ寝たら風邪ひくだろーに・・・。寒そーだなぁ、それにしても」


 上は長袖の上着を羽織っていたとしても、下はミニスカートだ。見てる方が寒くなってくる。


「っと」


 やきそばは、首にかけていたタオルを、パサッととんこつの膝の上にかけた。


「こんなんで何になるとも思わないけど、一応気休め程度にってとこかな。・・・スカート穿いてあぐらなんかかいてたら見えるっつーの」


 スカートの中が見えないように膝にかかったタオルをかけ直すと、やきそばは、


「せいぜい見つからないようにね~」


 と軽く言いながら、とんこつのいる体育倉庫を後にした。

 タイムリミットまで残り、十七分。