階段を下ったしお。
「ハァッ、ハァッ・・・っ！！校舎の外に、出ました、ねっ・・！ハァッ」
「くっ！外に出てしまったかっ・・・！」
「人が多いからなっ！逃げられっ、ちまうかもっ、しれねぇ、なぁっ！」
「クッソ！足上がんねぇ！」
校舎の外に出て、校庭の人だかりに紛れるしお。
策士のしおの、今の格好は。
黒髪のおさげウィッグ。細ぶち眼鏡はそのままで、襟のある白地に青くて細いストライプが入ったシャツには、黒いタイがリボン結びにしてある。下はタイと同じく黒いセミミニのプリーツスカートに白い二―ハイソックス。そして、紺色のチャッカーブーツといった、いわゆるスクールスタイルだ。
「スカート・・・！動きにくっ、い、ですねっ！！」
人と人との意間を縫うように走るしお。
「撒きましたか、ねぇ・・・？ハァ、ハァ・・・」
膝に手を付き、肩で息をするしおは、キョロキョロと辺りを見回す。
「ふふふ・・・」
「ん？！」
と、後ろから不気味な声が聞こえ、勢いよく振り返る。
そこには。
「ぼく氏、おべんきょー苦手なんですよねぇ・・・。ねぇねぇ、おべんきょー、教えて？もちろん、ほけんたいーくの、ね」
「やめっ、うわっ・・・！！！」
二人目、しお。確保完了。
「うわぁあああああっっ！」
「これで分かったでしょう？僕、男なんですよ」
鼻の下を伸ばしてしおを捕まえた変態は、トイレで見せられた男の子の証を見て、その場で気絶した。
