「美女っ!!美女っ!!」
「女ぁぁあああっっ!!」
「妹系ですかね?萌え?萌え?」
「いやいや、メガネ系学級委員女子も堪らんですよ?」
「ぼっ、ぼくっ、ツンデレが、いいなぁ・・・」
「とりま、美女見れればそれでよしでございますなぁ」
などなど。
一部、オタクと呼ばれる人種も混ざってはいたが、要するに男たちが女装したとんこつたちを一目見ようとものすごい形相で、生徒会室まっしぐら中だった。
「逃げよう」
「そうですね」
「おれら四人に対してあの人数はまかたしないべやぁ」
『まかたしない』。北海道弁で『割に合わない』という意味。
「スカートってめっちゃスースーするね」
「今それ、超どーでもいい」
「うん。そだね」
「とりあえず・・・」
男たちが来ている方向とは逆の方向を向いた四人は、スゥ・・・と同時に大きく息を吸い、
「逃げんぞっっっっ!!」
「おう!」
「うん!」
「はい!」
自身がスカートをはいているということも顧みずに、猛ダッシュし始めた。
そこで、校内放送がタイミングよく入った。
「え~、制限時間は3時間。この学園祭が終わるまでに、イケナイ美女四人を捕まえてくださいね」
「そして長いっっっっっっ!!!」
四人が走りながら息をそろえて言い放った。


