「そもそもここでは普通にしてるのがいいよ。余計いやらしい人に見られるからさ」
「ぬぐぐっ・・・。そうか、そういうもの、なのか」
「まぁなぁ。ま、フツーにしとれ」
「お、おう」
「ん！これ、うめえ！最近の学園じゃ、こんなうめぇもん出してんのか！」
「そうなの？私も食べたいなぁ」
「いいぜ！ほらよ」
「や、さすがに、男にあ～んしてもらう趣味はないんで」
「するか、ボケ！あー、もうやんねぇ。ぜってーやんねぇ」
「えぇ～。酷いなぁ」
「ひどかねぇっての！」
ケチャップで大きくハートマークの描かれたオムライスを口に運んだうどんが声を上げると、そばがそれに食いついた。
「しゃーねぇ。ん。一口だけだぞ」
うどんはオムライスの皿をそばの方へ押しやった。
「あはは。ありがと。美味しくいただくよ。あ、ざるそばもどう？」
「・・・。食う」
「分かったよ。じゃ、どうぞ、お先に」
「えっ。いやそれは悪い。先に食ってくれ」
「ホント？じゃ、ありがたく」
と言いながら、そばはオムライスを口に運んだ。
「うん！美味しい！すごく美味しいじゃん、これ。はい、ざるそばも」
「ありがとう・・・。はむっ。・・・ん！うまい・・・！！」
そば兄弟に、笑顔の花がパァッと咲く。
「だろだろ！」
自分が作ったわけでもないのに、うどんは鼻を高くしてニヤリと笑った。
