「すいませーん」

「はぁーいっ」

「んと、これ、とこれお願いします。そばは?」

「あ、わたしは、コーヒーを」

「お、おれはだいじょぶ・・・だ」

「かしこまりましたぁー。少々お待ちくださいねっ」

「ぐぬっ・・・!やはり、その足・・・、見るに堪えんっ」

「どこの武士だよ、てめえは」

「堅いんだよ。ウチの子。ものすごくさぁ」


 注文を聞きに来たメイドの足を、またジィーッと見つめ、ものすごく苦しそうにざるそばが呟いた。

 もうそろそろ呆れ気味にうどんが言うと、そばがあははと笑った。


「めいどかふぇとは、こういうものなのか?」

「うん。ま、こんなもんだよね」

「もっともぉっとキワドイとこもあるんだぜぃ、お坊ちゃまっ」

「なにっ?!」

「ウチの子に変なこと吹き込まないで」


 そばがうどんの額をペシッと叩くとほぼ同時に、メイドが注文した品を持って来た。


「お待たせいたしましたぁ。ご注文の・・・」


 コトッと皿を置きながら、説明するメイド。その様子をジィッとみつめるざるそば。そのざるそばを見つめるうどんとそば。


「以上でよろしいでしょうかぁ?」

「はぁーい」

「はい。ありがとう」

「あ、あり、が・・・とう?」

「失礼しましたぁ。ごゆっくりぃ」


 ペコッとお辞儀するとメイドはタッタッと三人の元を離れた。


「あんまりジロジロ見ると、変にみられるよ?」

「なっ・・・!!」


 うんうんとうどんは、そばの言葉に頷いた。